東京。。。④
彼とダブルベットで一晩。。
寝るときに彼の手を握って眠りについた。
時々彼の寝顔が窓からこぼれる明かりに照らされている…
彼の手を離したくないもどかしさを感じながら朝を迎えた。
少しウトウトしている間に彼が先に目を覚ましていた。
私「おはよー。ぎゅーして。」
彼はぎゅーって抱きしめてくれた。
朝ごはんを彼が買ってきてくれて、部屋でテレビを見ながら食べた。
チェックアウトして、東京駅にいき荷物を預けてまずは高円寺。
彼が大学時代遊んだ場所。音楽に明け暮れた学生生活。
昔話を色々してくれた。
次は下北沢。ここでも彼の音楽話が止まらない。
次は三軒茶屋。ここは彼が暮らしていた街。
アルバイトのお店、アパート、当時の出来事。
時間を越えて彼と同じものを見ている。
この日東京は木枯らし一号が吹いていた。
ずーっと彼の腕にしがみつきながら歩いていた。
知り合いは誰もいない。
彼も腕をギュッとして私がはぐれないようにしてくれた。
信号待ちをしながら彼に問いかけた。
私「ねぇ、地元に帰ったら連絡先消していい?」
自然とわいた言葉だった。
彼はもちろん驚き反対した。
彼「いきなりどうしたの?」
私「なんとなく言ってみた(笑)」
彼と離れたくないのに、もう一人の自分が暴走してる。
彼の胸に時々顔を埋めながら誤魔化していた。
次は彼の母校へ。
建物は新しくなり面影がないと彼は嘆いていた。
でも彼は自分が歩いた通学路を思い出話と共に案内してくれた。
ビール片手に歩いた道、ナンパに失敗した話。
青春を熱く語りながら今は私と一緒に歩いていた。
彼「りんときてよかった。りんがいなかったら、朝イチで帰ってたよ。」
私「そう?デリとか出会い系で一発してから帰るんじゃないの?」
彼「それはあるかも(笑)ウソウソ(笑)」
私は笑いながらどこかむなしさがこみ上げていた。。。